【実録】大手メーカ10年目の給料・年収を公開!

カツオ

国内大手メーカの10年目の年収、給料ってどれくらいだろう?

他人の給与は気になるものですが、実際に他人に聞くことはむずかしいかもしれません。そこで本記事では国内大手メーカに勤める筆者が、10年間分の年収、給与実績を紹介します

身バレ、企業バレすると会社に迷惑がかかるので多少数字は丸めたり表現をぼかしたりしますが、その代わりリアリティのある情報をお届けします。

これから大手メーカへの就職・転職を考えている方の参考になれば幸いです

目次

筆者のスペック

まずは筆者のスペックを簡単にご紹介します。

筆者は現職の国内大手メーカに新卒で入社しました。家電や企業向け製品を製作しているメーカであり、日本人なら誰でも弊社の製品を使ったことがあると思います。

筆者はこのメーカで製品設計・開発を担当するエンジニアです。顧客や営業から依頼される製品を、どのように、どうやったら作れるかを考えるお仕事をしています。具体的には製品を作るための計算をしたり、図面を描いたりなどします。そんな筆者の現職での年収推移を10年分、ご紹介します。お仕事に関しての具体的な内容はこちらの記事をご覧ください。

10年間の年収推移

それではさっそく、年収推移を見てみましょう。下図のとおりです。

図には年収と、手取年収毎月の平均残業時間を掲載しています。年収は年度ごとの収入で、家賃補助、家族手当、通勤手当が全て含まれています。また上図には給与レベルも掲載しています(後述)。

では詳しく見ていきましょう。

額面年収

額面年収は10年目で772万円でした。年収は徐々に右肩上がりですが、年収1,000 万円には届きませんでした(悲)。筆者の昇進スピードは普通ですが、出世の早い同期でも10年で年収1,000万円は難しい印象があります。また筆者は裁量労働制(後述)のため残業手当が毎月固定ですが、沢山残業をすれば(1か月100時間など)年収1,000万円に届く可能性はあります。

手取年収

手取年収は年収から税金(所得税と住民税)と社会保険料(年金や健康保険料など)を引いた、実際の手取り額です。筆者の場合、年収の約70 %が手取年収です。10年目の手取り年収は550万円くらいなので、ボーナス込みで毎月45万円くらいが手取り収入です。

給与レベルと給与ランク

給与は大きく給与レベルと給与ランクで決まります。各給与レベルの中には給与ランクが設定されていて(上図の場合、ひとつの給与レベルには4つの給与ランクがあります)、給与ランクを全部クリアすると次に給与レベルにアップするイメージです。給与は毎年給与ランクがアップするごとに月額3,000円~5,000円程度アップし、給与レベルが上がると月額で数万円アップします。

また給与レベルのスタートは最終学歴で決まります。修士卒はLv.3からスタート、学士卒ならLv.2からスタートと言った具合です。

筆者は修士卒なのでLv.3からスタートし、3年目でLv.4、5年目でLv.5になりました。しかしこれは修士卒ならだれでも同じスピードでランクアップします。差がつくのはLv.6からで、早い人だと8年目くらいで昇給するようです。筆者は10年目でLv.5なので、残念ながら昇進が早いわけではなさそうです(泣)。ただし他の同期と比べても昇進が遅いわけでもなく、普通のスピードのようです。そのため多くの方の参考になる昇進スピード、給与額かもしれません。ちなみにLv.7になると課長相当職となり、年収は1,000万円を超えます

弊社のような日系大手企業は年功序列が強く、他人より早く出世するためには実力以外に運も必要です(ポストに空きがあるなど)。一方運がなくても、きちんと仕事ができるようになれば40歳前後でLv.7になれます。逆に仕事があまりにもできなかったり、何か問題を起こしたりするとLv.6より上がれない人も一定数います。

残業時間とはたらき方

残業は若い時ほど多くしていました。若いうちは仕事ができなかったことも理由ですが、若いうちは給与が低かったので、残業して少しでも給料を増やしたかったことも正直な理由です。ただし2年目、3年目と毎月約50時間の残業を続けていると、精神的にも辛くなってきました

そこで4年目からは残業時間はほどほどにして、プライベートや趣味の時間も確保するようになりました。というのも弊社の場合、給与レベルLv.5から裁量労働という働き方が選べるようになります。裁量労働とは1日のはたらく時間や時間帯を、自分の意志で自由に決められる制度です

たとえば出勤時間は通常9時~17時ですが、裁量労働は10時~18時にしても良いですし、仕事がきちんと終われば17時より前に帰ってもOKです。働く時間は日ごとにカスタマイズしてOKなので、まさに自由に働ける制度になります。

裁量労働には残業時間という概念はなく、残業手当の代わりに毎月残業時間40時間分の裁量労働手当がつきます。つまり40時間残業をしなくても毎月40時間分の残業代がもらえます。逆に残業時間が40時間を超えてしまっても40時間分しか残業代はもらえません(ただし、休日勤務などは別途支給されます)。

筆者はLv.5の職位になってから、基本的に裁量労働制を選んで働いていました。40時間以上残業すると損してしまうため、毎月40時間以内で仕事を終わらせるように工夫するようになりました。その結果、残業時間は徐々に減っていきました。

はじめのうちは定時に帰るのに抵抗もありましたが、同じような考えをもつ同期と一緒に帰ったり、「仕事が早く終わる人こそ有能」というマインドを持って、仕事が早く終わった日は堂々と帰ったりするようになりました。

それが理由で評価を下げたことはないですし、仕事とプライベートもメリハリがついて良かったと感じています。ちなみに裁量労働は選択制なので、月によって裁量労働にしたり通常の残業時間制度の働き方に戻したりと個人の判断で選択可能です。筆者も海外出張など仕事に余裕がないときは裁量労働を外すなど、臨機応変に対応していました。

給与明細

最後に10年目の給与明細を見てみましょう。まずは毎月の給与明細です。

月額給与明細

10年目の給与明細のうち、平均値に近い給与明細は下記のとおりです。

基本給は約31万円、裁量労働手当が9.4万円、家族手当が2.2万円、その他補助が1万円で計45万円です。一方、税金などの控除は健康保険料が2.3万円、厚生年金が約6万円、所得税が1.1万円、住民税が2万円、寮・社宅費が3.3万円、組合費が約1万円、合計で15.4万円です。

最終的な手取りは29.7 万円となりました(手取り割合66 %)。自分の場合は寮・社宅費が既に引かれているので、住宅費以外をこの手取り金額でやりくりすることになります。もし家賃補助をもらっている人は、年収はもう少し高見えするでしょう。

収入はともかく、控除額が15万円を超えているのは個人的に多いなと感じています。支給額の約34 %が引かれてしまうのは大きいですよね。

賞与明細

つづいて賞与明細です。

賞与は年に2回あり、上記は夏と冬の平均値を丸めた値で表記しています。支給額は約90万円、控除額は25万円で、手取りは約65万円です(手取り割合72 %)。毎月の給与に比べて収入額が多い分、所得税が跳ね上がり、控除額が20万円超えています。今後日本は少子高齢化で社会保障費が増えていくことを考えると、今後も手取り額は減少する可能性が高いと筆者は考えています。

まとめ

大手サラリーマン10年目の年収、給与明細を公開しましたが、いかがでしたでしょうか。

日本人の平均年収は約400万円であることを考えると、多く感じられるかもしれません。しかし夫婦であれば共働きすると到達しやすく、どの世帯にも再現しやすい年収帯かとも思います。

メーカは金融や商社に比べると年収は低い傾向がありますが、一方で仕事の激務度合や在宅ワークがしやすいなど、給与以外のメリットは充実しているかもしれません。

弊社の働き方や福利厚生はこちらの記事を参考にしてみて下さい。

 ▶大手メーカの働き方、激務度合はどれくらい?

 ▶大手メーカの福利厚生はどれくらい?

 ▶大手メーカの給与明細:意外と忘れがちな大きな給与項目は”旅費精算”!

ぜひ本記事が転職・就職を考えている方の参考になれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次